●お盆の特別メニュー
8月14~16日にかけて、花八代では茗荷や白芋(はすいも)など季節の食材を用いた、「お盆」に合せた精進料理をご提供します。盆花であり極楽浄土に咲く最上の花と言われる「蓮」をお皿として用いたり、お盆ならではのしつらえ・お食事を楽しんで頂けます。(通常のお魚などを含む京懐石をご希望の場合、お気軽にお申し付けください)
仏教では「五戒」という教えのもとに、生き物の殺生を禁じています。お盆の時期は、ご先祖様や動物の霊に感謝の気持ちも込めて、肉や魚を用いずに、穀物や野菜、海藻、果物などを中心とした精進料理をお供えするようです。
●五山送り火
京都のお盆の締めくくりといえば、8月16日の「五山送り火」。今年は新型コロナの影響もあり、縮小して実施されるようです。
お盆は亡きご先祖様の霊が懐かしい故郷の家を訪れ、子孫たちと団欒のひと時を楽しむ機会です。それぞれの家で丁重なもてなしを受けた霊は、16日に再びあの世へと戻ってゆくのです。かつて、京都では盆花や団子などの供物を16日の夕刻に鴨川に流し、それによって先祖の霊を送っていました。それに加えて、京都の盆地を取り囲む山々に、送り火が灯されます。
「五山送り火」は、室町時代に京都と周辺地域で行われてきた、死者の供養を目的とする「万燈籠」が起源と言われています。本来は素朴な灯篭行事であったものが、室町時代後期には大勢の人たちに見せるための工夫が進み、今日のような送り火になったようです。
近年では、「五山送り火」は観光行事のように捉えられ、人が集まり、活気が出ることは良いことかもしれません。ただ、古来より、無数の人々の祈りや願いが込められた、ご先祖様の霊を見送る灯火として、長い時を経て継承されてきた行事であることを忘れてはならないと思います。このような京都ならではの暮らしや文化の本来の意味を、次の世代にも引き継いでいきたいものですね。 

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